一日一冊(KILL)

読んだ本の備忘録、他

秋山成勲への「冷たい」嫌悪感

 

2006年の大晦日からずっと秋山成勲(あきやまよしひろ)に対しては強い嫌悪感を持っている。ただ、この嫌悪感は「強い」のだが「冷たい」のだ。格闘技の試合に秋山が入場してきたとしても、決してブーイングはしない。それよりも会場から抜け出るだろう。同じ空間にいたくないのだ。それは、ヌルヌル事件がまだ記憶に新しかった頃、秋山がUFCで連敗しリリースされても「あぁ」とは思ったが、決して「ザマーミロ」とは思わなかった。

青木真也が対戦相手に中指を立てた行為やThe Outsiderに出場した選手のふざけた反則には、熱い憤りが込み上げた。しかし秋山が三崎のキックに意義を申した時も、とんねるずのテレビ番組で楽しそうに落とし穴に落ちる姿を見た時も、熱い感情は皆無だった。しかし見てはしまう。フリークショーの観客に近いのかもしれない。自分の場合は、恐怖感と好奇心ではなく、嫌悪感と好奇心なのだが。

9月2日に秋山成勲が自身のYoutubeチャンネルで『【桜庭和志さんへ】秋山が全てを認めた日』というタイトルの動画を配信し、2006年大晦日桜庭和志線では、意図を持ってクリームを塗ったことを認めたようだ。ようだと言うのは、この動画を見ただけでは、あのヌルヌル行為が意図的だったのかが分かりづらいのだ。1%でも有利になると思ってクリームを塗ったらしいのだが、反則と知っていたがクリームを塗ったのか?をはっきりと明言していない。「有利になる」だけであれば、青木真也のロングスパッツも、ホイス・グレーシーの柔術着も、高田延彦の膝当てや肘当てでさえ、「有利になるモノ」になり得る。バンテージだって、自分が「有利になる」ためにルールを逸脱しない範囲で技術や経験、工夫をこらして巻いているに違いないのだ。
秋山成勲Youtube動画。これほど観るに値しない動画は類を見ないだろう。しかし見てしまう。やはり秋山成勲という存在そのものへの嫌悪感が、自分の好奇心を駆動するのだ。

ヌルヌル事件の当時は、毎日更新されるまとめサイトがあったり、梅木良則レフェリーのブログが炎上したりと3ヶ月くらいは騒がれた記憶がある。15年も前なので残っているサイトの方が少ないのだが(2ちゃんねるは残ってると思うが、質は・・・)、今からでも閲覧できるであろう活字としてオススメなのは、

 

『GONG 格闘技 2007年 03月号』

お名前は失念してしまったが、試合終了から一貫して桜庭の主張を信じて多くの記事を複数のメディアに投稿されていた記者の方の記事は素晴らしかった記憶がある。

 

KAMINOGE vol.16』

桜庭自身がヌルヌル事件を詳細に語っている。主催者と審判団の行動には驚きの一言。呆れて笑うとはこのことかと実感できる。和田さんが気になる。

 

メルマ旬報の連載、『オフレコをオンします』(茂田浩司

秋山成勲のセコンドに付いたチーム黒船の山田武士トレナーのインタビューが特筆。オイルを塗ったタイミングを鑑みるに、「意図的であった」ことの状況証拠として十分。
※有料メルマガなので「書評」として引用しても良いのだが、メルマガを読んでください。

 

最後に、珍しくShow大谷泰顕がいい仕事をしている。一般人では知り得ない周辺情報を語った動画をアップしてくれている。この動画内のShow大谷氏の発言は、2006年大晦日の『Dynamite!』をリアルタイムで観た者にとって衝撃なのだ。

今回の秋山成勲の何も言ってない謝罪動画はShow大谷氏動画の序章だった、と言ってもよい。この動画をアップしてくれたShow大谷の脇の甘さに感謝する次第である(山口日昇吉田豪ではないが)。


www.youtube.com