一日一冊(KILL)

読んだ本の備忘録、他

高橋秀樹(編)『全電源喪失の記憶』(新潮文庫 2018年)

福島原発群があの地震により危機に陥ったということ以上に、その事後処理に焦点をあてており、全体を俯瞰できる良書と思う。しかし、共同通信社(恐らく記者クラブ会員)のためなのか、東京電力への突っ込みが甘い印象。反対に菅直人には突っ込んでいる。民主党立憲民主党)が政権を取ることは無い、政権を取ったとしても菅直人が要職に就くことはないと判断しているのだろうなぁ、と。

あの地震直後の対応は、菅直人というよりも、斑目春樹原子力安全委員会の責任感の欠如(というか人間性の問題)だったといことが理解できた。せっかく、東大教授を退官されて名誉教授になったのに。

自分が委員長のときに東日本大震災が発生したのは、斑目氏にしてみれば不運かもしれないが、地震発生の可能性を含めて委員長を受けたのではないのかね?とは思わざるを得ない。